
朝起きてきて、子供が気分が悪くて動けないとお母さんに話に来る。
学校の準備が進まない。
食事をとりながら横になってしまう。
声をかけてもなかなか起きて来ない。
お腹が痛いとトイレに入ったけれども、
なかなか出てこない。
もう学校へ出かけないと遅刻してしまう時間なのに、
なんだかグズグズしている。
なんとなく顔色が悪い。
なんなんだろう。。。?
なんて症状があったら、それは子供からのなんらかの
サインかもしれません。
小学校5年生の6月
担任の先生から強く叱責されるという経験をした我が家の次男君(ここではジックンと命名)は、
朝になるとそんな症状を出しだしました。
初めは、私もあまり気に留めていませんでした。
でも、ジックンは毎朝毎朝起きてからの体調が悪そうで。
だんだんだるくて体が起こせないほど、
朝起きられなくなってきました。
毎日、毎日、今日は学校へ行けるのか?行けないのか?
遅刻で行くのか?送るなら自分が送るのか?
祖父母に頼むのか?仕事はどうしよう。。。と
子供の様子よりも自分が焦るようになりました。
時間を区切って、そこまでに準備ができなければ学校はお休み!と
決められれば良かったのですが、だらだらズルズル子供が登校することへの
期待が強く、朝、学校へ「お休みします」の電話をかけることがプレッシャー
になっていました。
まさか自分の子供が学校へ行けなくなるなんて考えたこともなかった私は、
毎朝体調を崩す自分の子供の様子が、理解できませんでした。
学校は行くべき所。とインプットされていた私。
朝、体を起こすことに10分かかる。
それが20分になり。
30分になり。
それでも私は、学校へ行かせる為に、その分早く起こす努力をして、食べられないなら食べられそうなお腹に優しい食事を準備して、学校へ行けるように行けるようにとしていました。
そして結局、ジックンは学校へ行けなくなってしまいました。
暫く学校へ行けなくなった時、とにかく原因を調べ対応していくため、学校から体調の検査を勧められました。
どういった診察を受けたのか、どこで受けたのか、どんな検査だったのかを記載したいと思います。
まずは体調からくる不登校を疑ってみる 病院選び
スクールカウンセラーさんから・・・・
「体調からくる不登校かもしれないので、まずは小児科を受診してきてください。」
と言われました。
いろんな体調不良で子供が学校へ行けないという状況の時、どこの病院へ連れていくことが一番いいのかな?
と悩んだりしませんか?不登校で検索するとヒットする体調不良の症状は起立性調整障害や貧血、低血圧と出てきます。
メンタルとも関係ありそうだし、児童精神科のある大きい病院の方がいいのかな?
とか起立性専門の病院の方がいいのかな?とか。
我が家の場合、まず初めに起立性調整障害を疑って、逓信病院という病院の予約を取ろうと思って電話を入れました。
(ネットで検索したところ、この逓信病院が起立性調整障害の検査がきちんとできると出てきたもので。。。)
電話をしてビックリ!
予約は早くて半年先との事でした。
予約の電話をした時の病院側からのアドバイスは、
「まずはかかりつけの小児科医にいかれて、第一段階での診察を受けられた方がいいですよ。
必要ならば、紹介状も書いてもらって起立性の検査ができる病院へ行く方が、予約も早めにとれるし、安く診察が受けられますよ。」との事でした。
という訳で最初に受診したのは、かかりつけの小児科。
我が家にはかかりつけの小児科も2つあって。
人気があって、いつも混んでいる、評判のよい小児科と、薬は最後の手段としてしか使いません。診察はします。あとは見守る方法も指導しますという自然治癒系小児科。
自然治癒系小児科の先生は、お仕事をしているママさんからはあまり人気がありません。
でも、ゆっくり話を聞いてくださるし、私の子育ての理念とはあっているので、利用しています。
小児科の先生にお伺いしたところ、大人と同じ医療機関で受診しても構いませんが、高校生までは小児科を受診してもらってかまいませんよ。言われていました。
私自身は、子供の成長期の不安定な状態は、小児科医の先生の方が診察をしてもらった時の安心度が高いので、
初診は自然治癒系小児科医を受診しました。
不登校と関連する体調不良の種類
受診する前に、私自身が子供の状態を把握すべく、自分でも色々と調べてみました。
不登校と関連する体調不良を検索してみると。。。
1.起立性調整障害
2.貧血
3.低血圧
等がキーワードとして出てきました。
起立性調整障害という言葉は、私自身は初めて目にする病名でした。
調べてみると。。
起立性調節障害とは
思春期に多い病気。小学生の場合は低学年よりも、高学年から中学生に多い病気の1つ。
思春期になるとホルモンの分泌が盛んになり、それに伴い自律神経のバランスを崩しやすくなる。
そういう体の変化の事情から小学生5年、6年ころから中学生の思春期に起立性調整障害にかかりやすくなるとの事。
自律神経を乱す原因は、ホルモンの分泌だけではありません。
様々なストレスによって自律神経を乱し、起立性調整障害を引き起こすという事があるそうです。
子供のストレス原因として考えられるのが、勉強ができなくちゃダメ!みたいなプレッシャーや
友達関係、ゲーム依存による生活リズムの乱れ、習い事等で忙しく時間にゆとりのない生活等々。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、
この2つは反対の作用をすることで体の働きのバランスをとっているそうです。
起立性調節障害は、この自律神経の働きが弱いため、血圧の調節がうまくいかず
長時間横になり、朝になって急に体を起こうとした時、脳や心臓へ血液の循環が上手くいかず、
立ち眩みや眩暈を起こしやすいという事はある と書かれていました。
そして、症状がひどい場合には、これが学校へ行けない大きな要因となる事がある。と。
思春期が始まる頃は、体の成長に自律神経の発達がついてゆけず、
体の中はただでさえ不安定な状態にあります。
さらに、この時期には生活環境の面で精神的な問題の起きる機会が多く、
物事に対する子供の感じ方が敏感であり、
それにもかかわらず子供自らが問題を解決してゆく力が十分ではないため、
心と体のバランスも乱れ、はっきりしない様々な症状が出てくることになってしまうそうです。
本人が 「自分でもなんでだかわからないけれども。。。」と言いながら体調不良を示すのは
本当に本人も訳が分からない状態なのかもしれません。
具体的な起立性の体調不良の症状
起立性調整障害からくる身体的な症状は、下記の様な症状があります。
<症状>
朝起きようとすると気分が悪くなり起きられない。
午後になるにつれ、体調が良くなり、走り回れるほど回復する。
(だから、ずる休みなんじゃないか?仮病なんじゃないか?と周りから疑われてしまう。その位元気になる)
朝立っているとくらくらする。(一人で歩くのがつらいほど)
なんだかフワーとする。
おなかが痛い。(一度トイレに入るとなかなか出てこない)
頭が痛い。
体がだるく食欲がない。
吐き気がある。
なんとなく自分の体でないような感じがする。
などいろいろな訴えが多く、自分でもどこが悪いのかはっきりしない。
集中力がなくなり、勉強等をやることが辛くなる。
(頭ではやらなきゃいけないってわかっているけれども・・・というところがよけいに辛い)
代わりに、好きな事ならやれる。
(特に体調が良い時間帯など)
ジックンはここに書かれている朝起きて一人で歩けないほどだるい。
食欲がない。
勉強はやらなきゃいけないってわかっているけれども、集中力が持たない。
午後になると体を動かしたくなる。
なのに朝になると又一人で体を起こすことすらできない。
というループがありました。
ただ、この症状。
症状だけみると子供のうつ病も同じ症状が出るし、
貧血も似たような症状が出るし、
医療に携わっていない本当に普通のお母さんが見たら、
鬱なのか、貧血なのか起立性なのか、行きたくないから病気になっちゃうのかさっぱり区別がつきません。
不登校児の小児科の受診
よく病院のシーンで、白衣を着た先生が「はい。今日はどうしましたか~。」なんて
いいなかがら、聴診器をおもむろに耳にはめるなんていうことありますよね。
私が行ったかかりつけの 自然治癒系の小児科は、割とすいているので
他の人の順番を気にせずに診察を受けることができます。
子供の症状としては頭痛と腹痛、吐き気、食欲不振なんですが、
この際、きちんと状況を話してみようと思い、
いつから:先生に強く叱られた後から
状況 : 朝の様子や学校へ行けない事
そして体の不調:頭痛、腹痛、吐き気、眩暈
と、様子をすべて話してみました。
先生は黙って話を聞いた後、「わかりました」といって体の診察を始めてくれました。
腹痛、頭痛の診察結果は・・・異状なしでした。
え?異常なし?
本人がこんなに辛そうなのに?
私はなんだかしっくりきません。
私の様子を見てか、先生から「一応貧血の血液検査もしておきましょう」と提案してくれました。
本人は採血をめちゃめちゃ嫌がっていましたが。。。私は子供の体調不良の原因が早く知りたくて、
即「お願いします!」とお願いしていました。
藁にもすがるような思いでした。
原因さえわかれば、治せるって思っていたんですね。
所が、病院っていちいち時間がかかるんですよね~。
貧血検査の結果が出るまで1週間。
朝になると相変わらず辛そうなわが子を目にしながら、きっと貧血に違いない!。
きっと鉄分とったら治るよ。それともレバーかなぁ。小松菜かなぁ。
なんてことを考え、息子に鉄分料理を食べさせていました。
そして1週間後。
やっと、病名が分かって、治療ができて、解決してきっと学校へ行けるようになる・・・
という思いで、私は小児科へ行きました。
診察結果は、本人は体調不良で行けなかったので、私だけ。
結果は・・・異常なし。
はっ?
本当に。。。は?って感じでした。
じゃあ一体
次男君のこの状態はなんなのさ!と。
頭の中が真っ白です。
恐る恐る
起立性調整障害の話を
小児科の先生へお話すると。。。
「きちんと測定するには、専門の装置がひつようなので、大きな病院でないと検査ができません。
紹介状を書くので、大学病院で診察を受けてください。」
と言われました。
まだ病院通いが続くのか・・・。私は、疲れを感じました。
一番辛いのは息子なのにね。
彼の本当の状態をただ把握する為だけに
ずいぶん時間がかかるものだなあと。
早くそれを知りたいのに。
分かればきっと治るのに。
その時は本気でそう思っていました。
そして紹介状をもらい、小児科医の診察は終了となりました。